出願書類


商標登録を受けるためには、特許庁に願書を提出し、商標登録出願の手続きを始める必要があることを、ご理解いただけたと思います。
ここでは、出願するための願書とそれに付属する書類をもう少し詳しく見て行くことにします。
まず、願書ですが商標法施行規則によって図1の様式(用紙はJISのA4サイズ)が定められています。さらに付属する書類は願書を作成する上で、必要に応じて作成することになります。この願書をどう作成するのか、願書に記載する「商標登録を受けようとする商標」@、「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」A、「提出物件の目録」Bについて特許庁の解説を見てみましょう。

(1)「商標登録を受けようとする商標」の欄@
a.標準文字*のみを用いる商標の場合(商標法第五条第三項関連)
この欄に、文字の大きさと書体が同一の活字などを用いて、1行に横書きで記載します。さらに、標準文字のみを用いることを意思表示するために、この欄の次に「標準文字」と記載します。
注*:標準文字とは、特許庁長官が標準文字として書体を定めた文字で、漢字はJIS X 0208-1983の第1水準と第2水準の範囲を含んでいますので、なくて困る漢字はないといえます。
標準文字のみを用いることを意思表示すると、願書に記載された商標の書体にかかわらず、標準文字で登録を受けたものとされ、商標公報にも標準文字で公示されます。
見方を変えれば、文字の書体については、特別な権利要求をしないことを意思表示することになります。「3.指定商品・指定役務とは」で、商標の実例を見ていただきましたが、「アインシン精機」や「デンソー」は自動車部品メーカらしく、ハイテク感をかもす鋭角的な文字書体を権利としています。「すかいらーく」や「Royal Host」はファミリーレストランらしく、親しみやすい文字書体を権利としています。どれも、書体に特徴を持たせ普通でなくしています。これらは標準文字のみを用いるとはいえないものです。
オンライン(電子)手続の場合には、文字データで入力し、イメージデータの入力は認められません。
b.標準文字を用いない商標の場合
特徴のある書体である文字を用いる場合や、図形も含む場合や図形だけの場合**や、立体的な商標***がこの場合になります。
願書のこの欄に直接記載するか、記載した書面(大きさ8cm平方)を願書のこの欄に貼り付けます。立体商標を2以上の方向から撮影した写真で記載するとき、「商標登録を受けようとする商標」の欄に記載しきれない場合には、「商標登録を受けようとする商標」の欄には「別紙のとおり」と記載して、願書の2ページの表題を「商標登録を受けようとする商標」として、その写真を貼ります。


注**:図形だけの商標の例は右図のようなものがあります。
レストランの看板に表示されているのを見かけることができます。(登録番号3219675、出典:特許電子図書館)

 


注***:立体的な商標の例は右図のようなものがありま

す。
店頭やレストランに人形が置かれているのを見かけることができ

ます。(登録番号4157614、出典:特許電子図書館)



オンライン(電子)手続の場合には、色彩を付さない場合には、BMP(ビットマップ)形式
又はGIF(ジフ)形式を、色彩を付した場合や立体商標を写真で記載する場合には、JPEG(ジェイペグ)形式を用いたデータを送信します。
c.立体商標の場合(商標法第五条第二項参照)
この欄の次に、「立体商標」と記載し、立体商標について登録を受けようとしていることを明示します。商標の形状をスケッチや図面などで表現するだけでは、平面図形と立体図形の区別ができない場合があるからです。
d.商標法第五条第四項ただし書の適用を受け色彩を付す場合
説明書を作成し、「提出物件の目録」の欄Bに、「商標法第五条第四項ただし書の適用」と記載します。
説明書の表題は「商標法第五条第四項ただし書の適用」とし、その説明書には、商標登録を受けようとする商標を記載し、商標記載欄の色彩と同一の色彩を付すべき部分から引き出し線を引き、その旨を記載します。

(2)「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」の欄A
a.「3.指定商品・指定役務とは」「4.区分とは」で説明したものがこの欄に記載するものです。
b.別表に示されている商品や役務の表示(名称)が、使用したい商品や役務に当てはまれば、それをそのまま記載すればいいのですが、当てはまるものがない場合には、商品や役務の内容と範囲が明確に理解することができる表示(名称)で記載する必要があります。さらにその商品や役務を具体的に説明する必要がある場合には、説明書を作成して、「提出物件の目録」の欄Bに、「指定商品(役務)の説明書」と記載します。
説明書の表題は「指定商品(役務)の説明書」とし、その説明書には、商品の生産、製造若しくは使用の方法、原材料、構造、効能若しくは用途、又は役務の内容、効能、提供の方法若しくは用途の説明その他必要な説明を記載します。

(3)「提出物件の目録」の欄B
a.前述のとおり、説明書「商標法第五条第四項ただし書の適用」、「指定商品(役務)の説明書」を作成し添付する場合にその表題を記載します。

さらに、出願人や、代理人や、手数料の記載や、特殊な事情がある場合には、商標法第九条の出願時の特例などに関連する記載が必要となります。詳しくは、ご遠慮なくお訪ねください。