商標とは


その商品がどのメーカによって製作された、どういうグレードのものであるのかや、その商品がどこで収穫された、どういうグレードのものであるのかや、そのサービスが誰のどういう質のものであるのかが一目してわかるように、商品そのものに付したり、商品の包装に付したり、サービスの提供場所に付したり、表示したりするマークやしるしを商標といいます。

このようにマークやしるしが付されたり、表示されたりすることによって、消費者が商品を購入したり、サービスを受けたりする際に、消費者はその出所(メーカや産地)を知ることができ、メーカや事業者などによって品質が保証されていることを知ることができることになります。
他方、メーカや事業者などはそのマークやしるしを広告宣伝としてはたらかせ、その商品やサービスに対する消費者の購買意欲を喚起することができます。
これらのはたらきを、三つの機能、出所表示機能、品質保証機能、広告宣伝機能といわれ、とどまるところメーカや事業者、商品やサービスなどのそれぞれを識別する、自他識別機能が本質的な機能とされています。自社の商品であるのか、他社の商品であるのかを識別するはたらきや、自社の商品ラインアップの中でも、ハイグレードの商品であるのか、一般グレードの商品であるのかを識別するはたらきが本質的なはたらきとされています。

次に、これらのマークやしるしの具体的にどういうものか、を見ていくことにしましょう。
法の第二条第一項では、「人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。」
「一  業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの」
「二  業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの」
と定義されています。

これによって、マークやしるしは、文字、図形、記号、音などであり、人の知覚によつて認識することができるものでなければなりませんが、社名とか、商品名とか、ブランド名とか、ロゴとかである必要はなく、そのような区別もありません。何でもいいのです。

そして、「生産し」、「譲渡し」、「提供し」、(どんなグレードであるのかを)「証明」することで前述の四つの機能を発揮する状態になり、「業として・・・商品又は役務について使用するもの」と定義されています。この定義は、マークやしるしの使われ方を問題にしています。言い換えれば、どういう使い方をするかによって、商標でなくなる場合もあるわけです。例えば、「業として」でなければ、商標ではないことになります。
マークやしるしは何でも標章となるのですが、その使い方で商標でなかったりする、というところがちょっとややこしいかもしれません。

次に、前述の四つの機能ですが、同じ商品に、同じマークやしるしを複数の異なるメーカが使っているとしたら、そのマークやしるしでその商品のメーカやグレードを知ることはできなくなり、四つの機能ははたらかないものになってしまうことでしょう。この場合には、メーカや事業者が商標を利用する意味がなくなり、その経済活動が非常に不自由なものになるでしょう。消費者からすれば、どのメーカの商品であるのか、どの事業者のサービスであるのか、マークやしるしからは判断できなくなり、買い物は非常に不自由なものになり、購買意欲を失うことになるでしょう。

そこで、そのような事態が生じないように、このマークやしるしである商標を保護することを目的に、法が制定され、「商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」(法第一条)とされ、産業社会における重要性が明記されています。
ここにひとつの特徴である、事業者が使用を続けることによって、中間取引者や需要者のよせる信用がその商標に化体する、という、抽象的な概念である信用というものがマークやしるしという具象的なものに化けて蓄積される、という特徴的な考え方が示されています。

法の目的である、業務上の信用の保護は、一定の出願手続と審査を経て、保護するに適するものとして登録され、権利者にその独占排他的な使用を法律上認めることで、保護をするというものです。
権利者者によるその独占排他的な使用の態様は、権利範囲を明確にする上で非常に重要なことになるために、また権利の争いを生じた場合に非常に重要なことになるために、どう「使用する」か、ということが、ちょっとややこしいのですが、問題になるのです。
そのために、「使用する」という言葉は、そのマークを商品だけでなく包装に付する場合、その付したものを譲渡する場合など、現実の経済活動や流通において生じるさまざまな場面を想定した使われ方を、法第二条第二項で定義しています。
更に詳しくは、ご遠慮なくお訪ねください。